「ごめん、オレンジジュースしかなくて」


「いやいや、こっちの方がありがとうだし」




夏帆の家にお邪魔するのは久しぶりだった。


でも、何も変わらない夏帆の部屋に私は安心した。




一口だけジュースを飲むと、私は夏帆に向かい合って、もう一度頭を下げた。




「夏帆…ごめん、私、暴走してた…」


「………」


「夏帆が止めようとしてくれたのに…」




覚悟を決めて謝ったけど、どんどん小さくなる語尾。




私は反応のない夏帆の顔をちらっと盗み見た。




「…………本っ当よ。私がどんだけ心配したと思ってんのよ」




「すみません…」