私の言葉に、綾さんは何も言わずに微笑んだ。 「このまま何もしないのも、村上凛らしくないもんね」 「ふはっ、自分で言ってるし」 綾さんはツボにはまったようで、テーブルをバンバン叩く。 そんな綾さんを見て、私も笑顔になった。 「綾さん」 「はーい?」 「ありがとう」 「…いえいえ。…どうするのか、決めたんだね」 そう話す綾さんの表情は、すごく柔らかくて、私は綾さんの目を見て、ゆっくりと頷いた。 「私、―――」