このまま、ただの先輩後輩に戻らないといけない。 だけど… だけど――― 「忘れ…るなんて、できないよ」 「うん」 「今のまんまじゃ…忘れるなんてできない」 「うん」 私はゆっくりと顔を上げた。 私は、どうしたい? このまま、何もせずに時間が過ぎるのを待つ…? いや、違う。 違うんだ、私がしたいことは。 「綾さん…」 「ん?」 「私、やっぱこのままは嫌だ。違うと思う」