綾さんは私の傷口を丁寧に消毒してくれた。 消毒の途中、「夏帆も容赦ないわねー」と呟いた綾さん。 流石は綾さんだ。 あの鋭いお母さんの相棒やってただけのことはある。 そんな綾さんに、私は苦笑いで返すことしかできなかった。 ―――翌朝。 案の定、顔や体のあちこちに青アザができた。 私は自分の腕を見て、深い溜め息をついた。 「りーん」 「ん?」 「…何があったの?綾子サマに話してみなさい」 そう言って優しく微笑んだ綾さんは、私の隣に腰をおろした。