静かに開けたドアを、また静かに閉める。 「………」 「………」 ゆっくりと前進して、目の前の人物と対峙する。 「そういえば喧嘩すんの初めてだね、私達」 「…かもね。夏帆だけは相手にしたくなかったし…」 「…行くの?」 「行く、かな」 穏やかに話す私達だけど、その表情に笑顔はなかった。 お互い無言で辿り着いたのは、昼間に話した空き地――― 向かい合って、冷たい風が二人の間を吹き抜ける。 一分にも満たない短い時間でさえ、はるかに長い時間のように感じた。