夜になっても冷めることのない夏の熱気。 街中や路地裏では、いつもに増して不良やガラの悪い連中が騒ぎを起こす。 「っぐ…もう、勘弁……してくれ」 「………」 「た、助け……どうか…」 「…るせぇ」 胸倉を掴まれた男は、周りに倒れている自分の仲間をちらっと見て、顔を青ざめさせた。 震える男に向かって不敵に笑うと、男の腹を思い切り殴った。 どさっと足元に倒れこむ男を見下ろして、取り出した携帯からある人物に連絡を入れる。