gangな恋 2nd



ここにいたくないのに、逃げ出したいのに、足がすくんで一歩も動くことができない。


そんな私の心情を察してか、生嶋が私の手を掴んだ。




「帰ろう…村上」


「…いくしま」




生嶋に促されて、ようやく一歩足が動く。


でも、二歩目は踏み出すことができなかった。




生嶋が掴んでいない方の手を、いきなり掴まれたから。


顔を見なくても、誰が掴んだのか理解できた。


生嶋も私が動かないことに気づいたのか、私の方を振り返る。


私もゆっくりと振り返って、手を掴んでいる本人の顔を見た。