頭がフル回転して、最悪な展開しか考えられない。 どうしてこういう時の予感だけは的中するんだろうか。 「…菫?なんだここにいたのか」 低い声が聞こえて、心臓が止まるんじゃないかと思うくらい大きく脈を打った。 今、一番会いたくない人が目の前に現れた。 「あ、和弥くん……ごめんね。転びそうになって…」 「大丈夫か?」 「支えてもらったから」 「そっか。どうもすみませ――――っ」 その時、初めて和弥と目が合った。