gangな恋 2nd



バランスを崩した女の人も、なんとか私に支えられて転ぶことなく体勢を保っていた。




「本当にすみませんでした」


「いえ、私も下駄は履き慣れてな………っ」




私は固まった。


頭を下げて謝る女の人が、顔を上げた瞬間。




できれば会いたくない人が、目の前にいた。




「…す、みれさん……」


「えっ?」


「…っ」




ドクンドクンと心臓がうるさい。


だって、菫さんがここにいるということは―――