祭会場から少しずつ人が減っていくのを見て、私達も帰ることにした。
生嶋にたこ焼きもクレープもおごってもらって、私は満足だった。
「もうすぐ夏休みだなー」
「うん。生嶋、毎日バスケに集中できるじゃん」
「はぁ~合宿かぁ……」
項垂れる生嶋に笑いながら歩く。
そんな時だった。
ドンっ―――
誰かがバランスを崩して、私の方へ倒れこんできた。
「ぅわっ」
「村上!」
間一髪のところで生嶋に支えられ、私はなんとか転ばずに済んだ。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫…」
支えられながら、ようやく姿勢を正す。
「すみませんっ!下駄なんて履き慣れてなくって……」


