やっぱり生嶋といると楽だ。
今まで男友達なんていなかったし。
学校の男子とは必要以上の話はしないし、ましてや私の素を見せたことないし。
和弥も……私の素を知っている一人だけど、生嶋とは違う。
だから、生嶋の笑った顔とか、悔しがる顔を見ると、私も久しぶりに自然と笑うことができた。
花火も終わって祭も終わりを迎えた。
それでも人の多さは変わらなくて、皆余韻に浸っていた。
座る場所がなくて、花火を見てる間、生嶋は私に「大丈夫か?」と声かけてきた。
私が疲れたと思っているのか……。というか私ほど頑丈にできた女はいないと思うけど。
そう思いながら「心配しすぎだばーか」なんて、私はまた恩を仇で返すような言い方をしてしまって、とことん可愛くない女だと思った。


