でも、そのむしゃくしゃも今はない。 ちゃんと、あの日にケリをつけたから。 「村上…?」 「えっ。あ、ごめんごめん。スリップしてた」 「ははっ、なんだそれ」 嫌でも考えてしまう。 今、何してるんだろう…? 誰のこと考えてるんだろう…。 考えないようにしてるのに、ふいに浮かぶのはやっぱり和弥の顔。 「よしっ!生嶋!射的やろう射的!」 「お!じゃあ、何か賭けるか?」 「たこ焼き」 「乗った!」 和弥のことを考えないように、私はとにかく祭を楽しむことにした。