ビクっと予想よりも大きく反応した生嶋は、勢いよく私の方へ振り返る。
その生嶋の反応に、私は満足気に笑った。
「!びっ…くりしたっつーか…村上…」
「ん?」
「……や、何でもないけど」
「…けど?」
面白がる私にくるりと背を向けた生嶋は、その場に座り込んだと思うと自分の髪をガシガシと掻き出した。
「あー!ったく…」なんてぶつぶつ言ってる生嶋の背中を見てると、なんか私がすっごく悪いことしたような気分になった。
「…い、生嶋?ごめんって」
「はぁ…。や、別にそれはいいんだよ」
「うん?」
「ヤバいっつーか……俺、ちょっと今日は余裕ないかも」
「……お金が?」
「違うわ!」


