gangな恋 2nd



もしも夏帆と行くのであれば、今夏帆が私の家にいるはず。


でも夏帆は聖剛さんと祭に行くんだから、ここにはいない。




一緒に行く相手が和弥ではないことくらい、お母さんだって分かってるはず。


私が和弥の話題を一切口にしないようにしていたから。


それに気づいているのに、何も聞いてこないのはお母さんの優しさかな。


現に和弥のこと考えないで済んでるんだし。




履きなれない下駄でなんとか歩いて、生嶋との待ち合わせた場所に到着する。


あ、いた―――




「いーくしまっ!」




甚平姿の生嶋の背後に近づき、思いっきり背中を押した。