風邪の重たい体で会いたくない奴に会うのは
とてつもなく苦痛だ。




「ぐへへ…おはよう」






ああ……
目の前でいやらしく笑うこいつにだけは会いたくなかった。






なにせこの男、
人の神経を逆なでする言葉を言わせたら




世界で五本の指に入るつわもの。




俺は目をそらし無視する。




「ぐへへ…顔が赤いね。風邪でもひいたの?」




ほら、さっそく人の弱点を攻めてくる。
恐ろしい奴だ。