「みんなー! ご飯の支度が出来たわよー!」

いつものように朝が来る。

昨日眠れなかった秀樹と直樹。それでもすぐに飛び起きる。

「へー、やればできるじゃん!」
美紀の言葉が妙にくすぐったい。

秀樹と直樹は何も言わずただもくもくと食べていた。

「ご馳走様。おいしかった!」
美紀に対して、素直に言える感謝の言葉。

母が亡くなって以来ずっと朝食を作ってくれた美紀。

女の子なんだから当たり前だとどこかで思っていた秀樹。

今改めて美紀の存在の大きさに気付かされていた。