(――ん? もしかしたらお見合いか?)
秀樹は聞き耳を立てながら勘ぐった。
「あいつには苦労ばかりかけて」
正樹は俯いた。
「そうよね、お姉さんったらお義兄さんのことばかり考えていたもんね。鬼門の玄関だから購入を諦めほしかったのに……」
沙耶は泣いていた。
「あの家が姉の命を奪ったと私は思っているのよ」
「だから対処法の白い花と盛り塩を珠希は欠せなかったのに……」
「でもどうして姉が運転していたの?」
その言葉に正樹はドキンとした。
そう、あの頃は殆ど正樹が運転していたのだった。
言えなかった。
言えるはずがなかった。
珠希はソフトテニスのラケットを自分の好意としている店で購入するために自分で運転していたのだった。
美紀の心を守るために秀樹とついた嘘。
沙耶を前にして、言えるはずがなかったのだ。
秀樹は聞き耳を立てながら勘ぐった。
「あいつには苦労ばかりかけて」
正樹は俯いた。
「そうよね、お姉さんったらお義兄さんのことばかり考えていたもんね。鬼門の玄関だから購入を諦めほしかったのに……」
沙耶は泣いていた。
「あの家が姉の命を奪ったと私は思っているのよ」
「だから対処法の白い花と盛り塩を珠希は欠せなかったのに……」
「でもどうして姉が運転していたの?」
その言葉に正樹はドキンとした。
そう、あの頃は殆ど正樹が運転していたのだった。
言えなかった。
言えるはずがなかった。
珠希はソフトテニスのラケットを自分の好意としている店で購入するために自分で運転していたのだった。
美紀の心を守るために秀樹とついた嘘。
沙耶を前にして、言えるはずがなかったのだ。


