秀樹はようやく、判りかけていた。
コーチの言った。
キャッチボールの意味が。


それは、チームだった。

幾ら凄いピッチャーが居たとしても、それを受けてくれるキャッチーが居ないと、ナイン全てが居ないと成り立たないと言うことが。

それに気付いたプレゼントとして、豪速球を披露する場を与えられたのだった。




野球部の要として育って行く秀樹と直樹。
美紀の自慢でもあった。

もっと見ていたかった。

美紀は後ろ髪を引かれながら、自転車に乗った。


でも美紀はその時気付いていなかった。
大が美紀に見とれてしることを……
どうやら大は美紀に恋をしてしまったようだ。