トリプルトラブル【完】

 でもウエスタングリップもイースタングリップも一長一短だった。


ラケットを持ち替えることなくプレイできるウエスタンは低いボールの処理が難しかしかったり、低いボレーが打ちにくかったりする。


一方イースタンはバックハンドストロークや高い打点での打球が打ちにくかったり、ドライブがかけにくかったりする。

それらを克服するには、やはり練習しかないようだった。


素振りの後はストロークを教える。


「フォアハンドのサイドストロークは、軸足を決め上体を真っ直ぐに立てて左足に体重をかけて、軸として体こ回転と共にスイングしてみて」

サービスを練習しているレギュラーの球を打つ。

それはラインぎりぎりのエースになった。


当然のように新入部員から拍手が起こる。


「バックハンドのサイドストロークはクローズスタンスで打つ」

又エースになった。


「クローズスタンスって解る? 軸足を決めて前足を踏み込む時、かかとから入ると膝が柔らかく使えるようになるから覚えてね」