トリプルトラブル【完】

 イースタングリップ。
アメリカ東部地方で考案された握り方で、硬式テニス用として広まった。
フォアハンドとバックハンドでは別のラケット面を使用する。
流石にこのグリップの部員は居ないと思われた。


でもかって硬式テニスをかじった部員には馴染みのグリップらしく、ラリー中に思わずその握りをしてしまう選手もいた。


イングリッシュグリップ。
イギリスで考案された握り方で、硬式テニスで多く使われている。
ソフトテニスでのグランドストロークとしては殆ど用いられない。
でもツイストサービスやカットサービスでは武器になる握り方だった。


このサービスグリップが珠希の武器だったのだ。

だから美紀もこれをマスターしようとしていたのだった。