トリプルトラブル【完】

 正樹は引き締まった肉体に、美紀の鼓動を感じた。


その途端……
居ても立っても居られなくなった。


「愛してる……こんなにも愛してる」
正樹は美紀を抱き抱えた。

それはまるでお姫様抱っこのようだった。


「美紀……俺と結婚してほしい。あの二人……いや、三人を説得するのは大変だけど、美紀……お前を幸せにしたい。いや……美紀、俺を幸せにしてくれないか?」

正樹はやっと気付いた。


美紀が傍にいるだけで幸せになることを。

だからもう……
離しなくなかったのだ。


美紀は抱き抱えられたままで頷いた。


「俺……お前が傍に居ないと駄目らしい」


ポツンと正樹が言った。


それは、待ちに待った正樹からのプロポーズだった。

美紀は何度も何度も頷きながら、やっと訪れた幸せを受け止めようとその胸に顔をうずめた。


身体が燃える。
消火出来ないほど大火になる。
正樹はその思いを又も抑えて込んだ。
美紀を思うが故に……


(――珠希。此処で美紀を抱いてしまったら、きっと又後悔するな)

珠希と……
家族と過ごしたルーフバルコニー。
この場所を一時の感情で汚しなくなかったのだ。

それともう一つ、乗り越えなければならない壁があった。