トリプルトラブル【完】

 「美紀ちょっと。バルコニーで待っててくれないか?」
正樹は勇気を振り絞って、美紀をルーフバルコニーに誘った。

美紀は素直に頷いた。


――ガチャ。

躊躇いながら、正樹がドアを開ける。

そこで正樹が見た美紀の後ろ姿は、愛する妻そのものだった。


「珠希………」
美紀に聞こえない位の小さな声。
それでも美紀は振り向いた。


(――又珠希を思い出しちまった。こんなんで良いのだろうか? こんなんで上手くやって行けるのだろうか?)


美紀を見ながら、正樹は沙耶の励ましの言葉を思い出した。


そして、やっと決意する。

美紀を愛しているなら、美紀を愛しているから、美紀の全てを愛したい。
と。