でも正樹は、美紀を自由にしてやりたいと思うようになっていた。


定期的き連絡を取り合っている大阪の美紀の祖父は、美紀の出現で新しい人生をスタートさせようとしていた。

もう一度光輝くために……。

優しい孫娘に又逢いたいがゆえに……。

リハビリも積極的になり、健康な生活を送るようになった。


正樹はそんな大阪の祖父の元へ、美紀を返そうと思い始めていた。

勿論、大に美紀を託せるかどうかも視野には入れている。

でも、大阪に行けば何不自由なく暮らして行ける。
何も好き好んで、この家で苦労を背負い込まなくても良いだろう。

そう思っていたのだ。