トリプルトラブル【完】

 やっぱり駄目かと、俯く秀樹と直樹。
大も真似をした。

三人に冷たい風が吹く。
クラスメートはそう思ったようだった。

みんなが見守るなか、トリプルラブバトルはそれで収縮するかと思われた。

それでもまだあがき苦しむ二人がいた。

美紀が本当は正樹が好きなことは分かっていた。

それでも納得出来るはずがなかった。
もし正樹と結婚したら、同じ誕生日の美紀が自分達の母親になってしまうのだ。

妹を母と呼ばなければならなくなるのだ。

絶対にそれだけは避けたかった。


何故……
自分達では駄目なのか?

兄弟は兄弟で、それぞれに思いを巡らす。


でも結局解るはずがない。


だって美紀自身さえも、気付いてもいないことだったのだから。


沙耶の言葉がなかったら、きっと一生美紀は苦しむはずだった。

でもだからって、今が苦しくない訳がない。
知ってしまった以上……

美紀はきっともっと苦しむはずなのだから。