トリプルトラブル【完】

 気を取り直して、美紀は調理台の前に立った。

まずガナッシュを作る。

いわゆる生チョコレートと呼ばれている物で、チョコレートを熱い生クリームや牛乳で溶かして作る。

これにリキュールを加えて、泡立て器でぐるぐる混ぜる。


でもそれは正樹用だった。

まだ未成年の、お子様三人には別のノンアルコールな物を加えた。


室温で少し冷ました後、丸い口金の付いた袋に入れてココアの入ったバットの上に絞り出す。

兄弟用に二十個作った。
六個ずつケースに詰めて、残りは試食用にするためだった。

そのための小さなお皿がその横に置いてあった。




ココアごとガナッシュをすくい、掌で丸める。

そうすることにより、手にくっ付きにくくするのだ。

これは珠希のアイデアだった。


油を薄く塗ったお皿の上に搾り出す手間と、洗い物を少なくする工夫だった。

どうせ手にココアを付けなくてはいけないのだ。
それならいっそ、たっぷりのココアの中に入れればいい。
そんなとこだった。