美紀は階段を隔てた場所にいる大が気になっていた。
正樹の本心が、其処にあることも承知していた。
でも諦める訳にはいかない。
妥協して、大を恋人には出来ない。
窓から見えるルーフバルコニーを眺めながら、美紀は正樹に対する恋心が更に激しくなっていくのを感じていた。