トリプルトラブル【完】

 スポーツが中心な家族。
その体力と気力作りをサポートするためだったのだ。

食事スペースを邪魔にならないカウンターにしたのもそんな思いがこもっていた。

お腹を空かせて帰る子供達のために、キッチンはコンパクトにまとめられていた。

長のれんをくぐると直ぐにある冷凍冷蔵庫は観音開きで、側面を壁側にしてあった。
左手のドアには食品。右手のドアには手作りドリンクが並べてあった。
練習を終えて帰宅した子供達が、冷蔵庫に回り込まなくても良いようにと考えた珠希の知恵だった。


麦茶、蜂蜜ドリンク、紫蘇ジュース。
それらは子供達の成長を考えて、極力市売品避けた親心だった。



駐車スペースは将来のために、三台分あった。
その残りの庭で家庭菜園もしていた。

其処にはジュースのための紫蘇、味噌汁のための薬味もあった。

家族で育てた新鮮な野菜で作るサラダ。
それも珠希の笑顔と共に元気の素となっていた。