トリプルトラブル【完】

 智恵の姉は獄中死していた。

彼女は玄関から出て来た智恵を襲おうとした。
その行為が愛する人の命を奪ってしまった。

思わぬ出来事に彼女はたじろいだ。

恐怖で動けなくなった智恵を彼女はヤケになってまた襲おうとした。

その時自分と同じ顔した智恵に驚いた。

真吾が見詰めていた本当の思いをその時初めて知らされた。

彼女は智恵が誘拐された双子の妹だと実感した。


結城真吾は駅に放置された捨て子で、施設育ちだと知ってファンになった彼女。

もし誘拐された双子の姉妹もその施設で育ったとしてもおかしくはない。

そう思った。


自分の勝手な思い込みから殺人を起こしてしまった彼女。
自分を追い詰め卑下した。

そしてその思いが彼女を死の淵へと追いやったのだった。




大邸宅の主人は運命の残酷さを嘆いた。

姉は妹の連れ合いを殺した事を父親にも言わずに死んでいったのだった。