トリプルトラブル【完】

 正樹と美紀は高校野球の抽選会より早めに大阪に来ていた。

インターネットに掲載された昭和45年に起きた誘拐事件を調べる為だった。


当時の産婦人科はショッピングセンターに変わっていた。

あの誘拐事件の後、新生児室に簡単に犯人が入れた事が問題となって、院長が責任を取り病院を閉鎖したのだった。




地元の警察にも行ってみた。
でも40年近くも経っている事件の担当者もいる筈もなく、二人は早くも暗礁に乗り上げていた。

「ごめん美紀。パパの力不足だ」
正樹はため息を吐いた。

美紀は首を振りながら正樹に寄り添った。