トリプルトラブル【完】

 車は順調に高速走っていた。


「疲れないか?」
後部座席をミラーで確認しながら、正樹が言う。

美紀は寝ていなかった。


「ううん、大丈夫」
そう答えてみた。

でも本当は大丈夫ではなかった。
どうしてもあのチャームに目がいく。
そして仲むつまじい、正樹と珠希の面影と重なる。


あの時のキスが脳裏を離れない。


(――私も……
愛されたい……)


美紀はもがいていた。
自分が何故こんなにも、正樹が好きなのかも知らないままに。