直樹と秀樹は美紀からパワーを貰いたかったのだ。
大がどんなに地団駄を踏んでも手に入れることの出来ない兄弟と言う名の特権で。
今日は地区予選最終日。
これに勝てば、いよいよ甲子園の舞台。
秀樹と直樹の夢が後一歩に近付いていた。
「こらー! お前ら!」
台所を覗いた正樹の渇が飛ぶ。
正樹に首根っこを抑えられ、二人はあえなく退場させられた。
「あれー、お助けを」
秀樹が美紀に救いを求める。
「問答無用」
正樹の豪腕に、呆気ない幕切れだった。
「お前らー、まだ美紀はお前らのお母さんじゃないんだぞ」
言ってしまってから正樹は重大発言に気付いて戸惑っていた。
でも、美紀はそんなありふれた日常に幸せを感じていた。
直樹も秀樹もその発言を気にしてないようだった。
正樹はホッと胸をなで下ろした。
珠希のお弁当作りの邪魔をする。
そう……
これが長尾家のイベント風景だった。
美紀はこの家に貰われて来た事を、心の底から感謝していた。
お調子者の秀樹に何度励まされたことか?
優しい直樹に何度救われたことか?
美紀はこの素晴らしい家族の一員になれた幸せに酔っていた。
大がどんなに地団駄を踏んでも手に入れることの出来ない兄弟と言う名の特権で。
今日は地区予選最終日。
これに勝てば、いよいよ甲子園の舞台。
秀樹と直樹の夢が後一歩に近付いていた。
「こらー! お前ら!」
台所を覗いた正樹の渇が飛ぶ。
正樹に首根っこを抑えられ、二人はあえなく退場させられた。
「あれー、お助けを」
秀樹が美紀に救いを求める。
「問答無用」
正樹の豪腕に、呆気ない幕切れだった。
「お前らー、まだ美紀はお前らのお母さんじゃないんだぞ」
言ってしまってから正樹は重大発言に気付いて戸惑っていた。
でも、美紀はそんなありふれた日常に幸せを感じていた。
直樹も秀樹もその発言を気にしてないようだった。
正樹はホッと胸をなで下ろした。
珠希のお弁当作りの邪魔をする。
そう……
これが長尾家のイベント風景だった。
美紀はこの家に貰われて来た事を、心の底から感謝していた。
お調子者の秀樹に何度励まされたことか?
優しい直樹に何度救われたことか?
美紀はこの素晴らしい家族の一員になれた幸せに酔っていた。


