「お前達、甲子園に行ってくれないか?」
学校から帰って来たばかりの秀樹と直樹を待ち構えていたかのように、正樹は言った。
「何だよ。藪から棒に」
秀樹はそうは言ったものの、事の重大性に気付き身構えた。
「これだよ」
正樹はそう言いながら、インターネットで調べた誘拐事件のプリントを二人に見せた。
「四十年も前の事件だから時効は成立している。けれど、子供を誘拐された家族には終わりはない」
「この大阪で誘拐された女の子が美紀のママだって言うの?」
「だから甲子園を目指して大阪に行けって言うの? でも甲子園って兵庫県だよ」
「言われなくても分かってる。ちょうど夏休みだから美紀も一緒に探せるし」
正樹は涙目になっていた。
美紀には幸せになってもらいたかった。
自分のルーツを知ることで自信を持たせてあげたかったのだ。
学校から帰って来たばかりの秀樹と直樹を待ち構えていたかのように、正樹は言った。
「何だよ。藪から棒に」
秀樹はそうは言ったものの、事の重大性に気付き身構えた。
「これだよ」
正樹はそう言いながら、インターネットで調べた誘拐事件のプリントを二人に見せた。
「四十年も前の事件だから時効は成立している。けれど、子供を誘拐された家族には終わりはない」
「この大阪で誘拐された女の子が美紀のママだって言うの?」
「だから甲子園を目指して大阪に行けって言うの? でも甲子園って兵庫県だよ」
「言われなくても分かってる。ちょうど夏休みだから美紀も一緒に探せるし」
正樹は涙目になっていた。
美紀には幸せになってもらいたかった。
自分のルーツを知ることで自信を持たせてあげたかったのだ。


