「あれ?おかしいな。さっきまでは全然鳴かなかったのに。ご主人様との再会が嬉しいんですね。」



彼の表現に私もクスリと笑い、箱には入れず、そのまま渡してもらった。




お礼を言ってお店を出ようとしたら、店員さんに呼び止められた。



「あの、もし良かったら今度ごはんとか行きませんか?僕、ここの近くの大学に通っている3年生なんです。」




私が予想したより1歳程若い。
閉店時間が近いのか、お店には私と彼しかいない。


「あっ、私、彼氏がいるんで。すみません、そういうのは。」


「そっか…」


あからさまにショックを受けている。



どうしよう。なんか「じゃぁさようなら」って言いづらくなっちゃった。




沈黙を破ったのは私が購入した黒猫だった。


急にみゃーみゃーが激しくなったのだ。


「あっ!!!普通のみゃーみゃーが激しいみゃーみゃーになったので、とりあえず帰りますね。」