「わかっ、わかった。わかったからっ、ちょっとどいて。」
「なんで?」
「恥ずかしいからっ。」
こんな傍から見たら【教われてます】みたいな体勢、心臓持たないっ。
はぁ、と溜め息をつきながらシュウは身体を起こした。
「なにから話せばいいかなぁ。とりあえず、俺、猫じゃないんだよね。」
「満月の夜には人間になる、とかそんなお伽話みたいなことがあるんですか…?」
自分でも馬鹿げたことを聞いているってわかってる。
だけど、こんな状態で。それしか考えがないじゃない。
「いや、人間じゃなくて。……ほら、ここ、赤くなってるだろ。」
シュウが私の鎖骨を大きな指でなぞる。
「や、手で隠れてて見えないし。」
「可愛くねぇな。お前。」
そしてまた鎖骨に顔を近づけ、……ちゅぅ。
「……ンんッ」



