いじわるだけど好きな人


しばらく沈黙が続いた。
時計はデジタルだからチッチッとかいう音はない。

この沈黙を破ったのは私でもなく長野先輩でもなく、ガチャとドアを開けて戻ってきた沖野先輩だった。

「あ、おかえり。俺達のは~?」

長野先輩がふざけて言った。
そうすると、沖野先輩は長野先輩に何かを投げた。
お茶だった。そして、私はそれを見ていると「樋浦」と呼ばれたので沖野先輩のほうを見たら何かを投げられた。

「あ…オレンジジュース…。ありがとうございます、沖野先輩」

最近、自然と先輩の前で笑うようになった。
私、おかしいや。