今回は先生に感謝した。 もちろん心の中で。 解散と言われたからなのか、次々に教室を出ていく。 最後に出ようと思っていた。 なのに、先輩が残っている。 「あの…帰らないんですか?」 聞いてみた。ただ、出ていってほしいだけなのだが…。 「…お前が出ろよ。俺、今冷やしてんだよ」 …?冷やす?何を…。 首を傾げて先輩を見ると、目が合ってしまった。 すぐに目を反らそうとしたのに、何故か目を反らせなかった。 だって…先輩、すごいすまなそうな顔をしていたから。