いじわるだけど好きな人


先生や学級委員のみんなにポカンと口を開けられてしまった。

その中で1人だけケタケタと笑っている人が…。

「俺が叩いてやるよ」

…先輩…。

近づいてきた先輩を見て私は俯いた。 この人には殴られたくない。叩かれたくない。

「ちょっと、下向かれたらできないじゃん。…分かった。やなのね?」

目を見開いてつい顔を上げてしまった。

どうして私の思ってることがこうも分かってしまうんだろう…。

そう思っていたとき、私の頬に鈍い痛みが。

ブニッ

「へ…ぁ、いはいれす~~~!はなひへくだはい(痛いです、離してください)」

みんなして笑っている。せ、先生まで…!!

そしてやっぱり一番楽しそうに、幸せそうに笑っているのは沖野先輩だった。


こんっの…ドS野郎め…!!