「んだよっ。」

彼は怒りながら走って行った。

…一人のほうが楽だけど、一人だとつまらない…。矛盾してる自分に腹がたつ。


学校に着き、教室に向かう。
席に座って本を読んでいると、廊下のザワザワした人たちが近づいてきた。キャァーという歓声混じり。

うるさいな…落ち着いて本も読めない。

眉間にシワを寄せながらそんなことを思っていると、教室のドアのところで歓声が止まっている。

「樋浦零麻、いる?」