いじわるだけど好きな人


立ち止まって、私は口を開いた。

「今日のライブ、すごい良かったです!私、感動しました。最後の曲は、先輩が作詞したと聞きました。いい歌詞だと思いました」

顔を赤らめながら先輩をまっすぐ見て言う。
すると先輩まで赤くなって焦っている。
「おまっ…それ誰に聞いたんだよっ?!…ま、まぁ…ありがとな」

ふふっ。先輩可愛い…。

…言わなきゃ。今だったら、言える気がする…。

「あの!!!私…私…」

先輩はまたきょとんとしている、けどさっきとは少しだけ表情が違う。私の緊張が伝わっているのだろうか。