午後八時。 一つ目の花火が上がった時、その願いは叶った。 先生が歩いてくるのが見えて、友達が私の背中を押した。 私は大きく頷いて先生の元へ走った。浴衣を着てる事も忘れるくらい夢中で走った。 すると先生の前で大きく転んでしまった。私はとっさに目をつぶった。 すると頭上から聞いた事のある声が聞こえた。 「おいおい。せっかくの浴衣が崩れるぞ。」