田渕先生の隣。 この助手席からは色んなものが見られる。 先生の笑顔。 先生のふざけた顔。 まばたきがシャッター代わりになって、目を閉じる度に表情が記憶されていく。 いつかは本物のカメラで先生を撮らなくちゃ…って思った。 ずっとこの時間が続くように祈ってた。 でもやっぱりそれは無理で、とうとう私の家についてしまった。そして私は少し名残惜しく車を降りた。