私が体を温めている間、みんなは心配してくれたり優しくしてくれた。


上着を貸してくれたり、こっそり給食の残りをくれたり。

中にはずっと背中をさすってくれた人もいた。



私はみんなに「ありがとう」を言い続けた。




するとそこに生徒会の先生達がやって来た。その中にはもちろん田渕先生もいた。

先輩の一人が一番偉い“高畑先生”に私のことを話してくれた。すると高畑先生は私に「家に帰りなさい」と言ってきた。


でも私はスクールバスだったし、家が遠かったので「帰りたくありません」とワガママを言っていた。



するといきなり田渕先生が手をあげた。


「…高畑先生、俺が送ります。遥香、帰り支度して。」



驚く私をよそに、他の先生方も生徒会のメンバーも納得していた。

私一人だけがドキドキしていた。