私は訳が分からなくて田渕先生の腕の中で目を丸くしていた。でも先生はずっと私のことを抱き締めていた。 だんだん力が強くなっていて、私はついに言葉を発した。 「…っ、先生苦しっ…。」 すると先生はいきなり力を緩めた。 そして私の顔を見ないで“ごめん”と呟いた。 先生が生徒会室を去った後、私は一人でドアを見つめてた。 多分今までで一番先生が小さく見えた瞬間だった。 先生が私に言い残した言葉。 はっきりと聞こえた“好きだ”の三文字。 私の耳は熱くほてっていた。