三階廊下


私は訳が分からなくて田渕先生の腕の中で目を丸くしていた。でも先生はずっと私のことを抱き締めていた。


だんだん力が強くなっていて、私はついに言葉を発した。



「…っ、先生苦しっ…。」




すると先生はいきなり力を緩めた。
そして私の顔を見ないで“ごめん”と呟いた。


先生が生徒会室を去った後、私は一人でドアを見つめてた。

多分今までで一番先生が小さく見えた瞬間だった。



先生が私に言い残した言葉。

はっきりと聞こえた“好きだ”の三文字。


私の耳は熱くほてっていた。