三階廊下


思えばまだほんのちょっとの時間しか経っていないのに、先生にたくさん助けてもらった気がする。

失恋の傷。
いじめの記憶。


全部田渕先生が消してくれた。



そして今は私に新しい恋を教えてくれている。

どれだけ感謝したって足りないぐらい。


本当に先生は恩人だよ。




私がそんな事を思っていると、私の頭を撫でていた先生の手が急に止まった。


「田渕先生?」



そう呟いた瞬間、目の前が真っ暗になった。そして私は先生の腕の中に包まれていた。

先生は息が出来なくなるぐらい私を抱きしめた。


そして一言私に呟いた。



「…好きだ。」