思えばまだほんのちょっとの時間しか経っていないのに、先生にたくさん助けてもらった気がする。
失恋の傷。
いじめの記憶。
全部田渕先生が消してくれた。
そして今は私に新しい恋を教えてくれている。
どれだけ感謝したって足りないぐらい。
本当に先生は恩人だよ。
私がそんな事を思っていると、私の頭を撫でていた先生の手が急に止まった。
「田渕先生?」
そう呟いた瞬間、目の前が真っ暗になった。そして私は先生の腕の中に包まれていた。
先生は息が出来なくなるぐらい私を抱きしめた。
そして一言私に呟いた。
「…好きだ。」
