あの出来事から数日後。私は一度もあのことを思い出さなかった。


いや、本当の事を言えば何度も思い出していたのに、そういう時には必ず先生の声がかき消してくれた。




レグカの傷も浅くなってきたある日。田渕先生がいる女子バスケ部が大会に出ることを知った。

正式には先生から教えてもらったという方が正しかった。



そんなある日。生徒会では壮行会の準備で忙しかった。でも私は先生が女子バスケ部の顧問だったので、一生懸命やっていた。




そして壮行会の日。私達は三三七拍子で応援をした。

反応はイマイチだったけど、とにかく終わって良かった。そんなことを思いながら放課後を迎えた。



放課後。生徒会の半分以上の人は大会に向けて忙しくて休み。

私が早く生徒会室の鍵を開けて待っていても誰も来なかった。