田舎から転校同然で入ってきた私も少しずつ学校に慣れてきて、友達もたくさんできた。校内では生徒会もやらせてもらっていた。

そんな安定した暮らしにちょっとした変化が訪れた。



私のクラスの副担任が家の事情で教師を辞めてしまった。そして代わりに一人の教師がやってきた。

名前は“田渕 和哉”。




背はそんなに高くなくて、眼鏡をかけている。担任は数学だけど、まだ正式な教師ではないらしい。


少し頼りなさそうで好きにはなれなかった。

それに私には好きな男の子がいるから関係ない。




私はずっと目もくれずに男の子を愛し続けた。


多少無視されても、メールが返ってこなくても、私には全然関係なかった。

ただ恋に夢中だったから。