数時間後。みんなで記念のプリクラ。

私は奈々子と隆平が隣になるようにしたり、変顔をして自分が気持ち悪くなるようにした。



帰り際、隆平が私に上着を渡してきた。私はその上着をぼーっと見つめていた。

すると私の携帯が鳴り始めた。
私はそのメールで夢から起こされた気分になりながらも、急いでメールを見た。




『お前のチョコ、奈々子のより美味しかったぞ。粉々だったけどな(笑)』

隆平からのメール。
短いメールだけど隆平の不器用な優しさが嬉しくて、ずっと上着を抱きしめていた。


もうこの恋がかなうことはないけど、そんな事はどうでもよかった。

ただ一つ言いたかったのは“最高の初恋”だったということだけ。





次の日。奈々子は隆平に告白をして付き合っていた。二人の後ろ姿が幸せそうで、何もいえなかった。


確かに辛かったけどすぐに忘れようと思ってたし、私の初恋はきっと誰よりも輝いていたはずだと思うから。