なんて声かけたらいいのか
わかんねぇし、
おしゃべりな彩希も黙っているから
繋いだ手はそのままだったが、
話すことはなかった。
無言だった。
だけど心地好い空気が流れていた。
この心地好い空気、俺すきだな。
―――――
さっきの文具店が見えてきた。
さっき彩希と歩いた道。
あと少しで駅につく。
ふと思った。
あの"心地好い空気"。
彩希が話さなかったのは
慎吾に好きな人がいたことに
相当なショックを受けたから?
やっぱり慎吾が好きなのか?
"心地好い空気"がいまになって
心地好くなくなってしまっていた。
