改札口もスルリと人を掻き分けて行けたのに、
ドテッ。
駅前の交番の前で転んでしまった。
「いたたたた。」
「ったく。お前アホだなぁ。」
あれ?大ちゃん?
なんでいんの?
「彩希、走んの遅すぎ!
俺歩いてたのについてこれたし。
早く立てよ。」
と言いながら大ちゃんは転んでしまったわたしに手を貸してくれた。
「ありがとう。」
「ケガはないな。
よしっ!行くぞ!」
わたしがケガしてないか一通り見た後、
わたしの手を思いっきり引っ張って走り出した。
「きゃっ。え?なに?」
「なに?じゃねーよ。
遅刻しそうなんだろ?」
あ、そうだった。
朝練に遅刻しそうなんだった!
「うん。急がなきゃ。」
「だろ?だから行くぞ。」
そう言って大ちゃんは
走るスピードをあげた。
ついていくのに必死だったし、
引っ張られる右手が痛かったけど
不思議と嫌じゃなかった。
