すきなひと



彩希を家まで送って、
駅までの道を歩く。



―――――


「…さみしいな。」


ふと彩希が言った。
この言葉を理解するのに少し時間がかかった。


「お前慎吾のこと好きなの?」

心臓が痛みを伴って少し跳ね上がった。


「さみしいって思うってことは
 好きなのかなぁ。
 好きとかよくわかんないや。」

「さみしいって思ってんなら
 好きなんじゃね?
 あ、お前ここで買うの?」


文具店に着いてくれてよかった。
もっと彩希を問い詰めてしまいそうだった。